北米・南米シリーズ2012 Day 20: ブエノスアイレス−ニューヨーク

朝ごはんのあとチェックアウトして、荷物をあずかってもらってお出かけ。さてさて、どこに行こうかなー、と歩きながら考える。

前夜に乗ったA線のレトロsubteがあまりにもかっこよかったので、またあれに乗りに行こう!と思い立ち、subteに乗ってA線に乗り換えの駅まで行くと、なぜかA線のホームが閉鎖されていた。あれ?と思いつつ、仕方ないので地上に出てお散歩。そうだ、革製品のよさげなものが多そうなので、バッグ買っちゃおうウフフ、とショッピングエリアをぷらぷら。あちこち見て回って、かわいい皮のトートバッグを見つけたのでお買い上げしようとレジで財布を開いたら、クレジットカードが無い!無い!
一気に血の気がひく。もう一枚のカードで何食わぬ顔で支払いを済ませて店を出て、がくがくしながらよく考える。最後にカードを使ったのは?ホテルは事前に支払済みだったから今朝のチェックアウトではカード出してない。昨夜のレストランは現金払いだった・・・最後に使ったのは、昨日のタンゴシューズ屋さん!どこかで落としたのではなく、あの店に忘れたのであれば大丈夫なはず・・・たぶん・・・。
幸い、靴屋さんからそう遠く離れていないエリアにいたので、もう、もう、祈りながら道を急ぐ。今までこんな失敗だけはしたことがなかったのに。。。
震えながら靴屋さんに行くと、昨日とは違う女性がレジに座っていた。スペイン語で事情説明は無理なのでダメ元で英語で「昨日ここで買い物したんですけど、もしかしてクレジットカードを忘れ・・・」と言ったところでその女性がにっこり笑って「これでしょ!」とカードを取りだした!神!!
「昨日お店に入っていた同僚が、日本人の子が忘れて行ったって伝言残してたの。待ってたのよ〜」って!いい人たちや。。。
100万回お礼をいって去ろうとしたら、「水曜(だったか忘れた)にここの街角でミロンガ(タンゴの自由セッションみたいなかんじ?)をやるのよ。よかったら来ない?」とお誘い。「残念!今夜ブエノスアイレスを発つんです。でもまた絶対くる!」と言い残しお別れ。自分のうっかりが引き起こしたアホな事件とはいえ、ブエノスアイレスの人たちの心根の良さに触れることができて、ますますこの街への愛着が湧く。
お礼も兼ねてまたカテドラルに行ってみると、ちょうどミサの最中だった。懐かしい雰囲気。安全に旅をできていることに感謝し、またブエノスアイレスに戻ってこられることも祈ってみた。

周辺をぷらぷらしていると、盾をもった警察官がたくさんいたり、封鎖されている道路があったりで何やら物騒なかんじ。
そろそろパレルモソーホーのほうに戻ろうかな、とスブテの駅に行ってみると、入り口が封鎖されてる!え?人がつぎつぎとやってきてはシャッターが下りているのを見て「ああ」という感じで去っていく。何ごと?
ひとり、同じようにやってきて「ああ」と去って行こうとする女性をつかまえ「どうして封鎖されているかご存知ですか?」とダメ元で英語で聞いたら、ちょうどアメリカ人だった!ラッキー!「ストライキがあるかもって新聞に載ってたのよ。朝は動いてたのに、ストがはじまったのね」とのこと。そっかー、と肩を落としていると、「バスの乗り方を教えましょうか?どこに行きたいの?」と聞かれ、パレルモ、と答えたら「わたしもパレルモに行くのよ。急いでるからタクシーに乗ろうと思うんだけどシェアしない?」と言われふたつ返事。
はじめ、なかなかタクシーもつかまらず焦ったのだけど、土地勘のあるそのアメリカ人女子(Kちゃん)がタクシーをつかまえやすそうな場所へとすいすい移動し、どうにかうまく確保し無事乗車。わーい!
Kちゃんもエアは違うけどその夜の便でニューヨークに戻るとのこと。政治学の博士論文の研究で4か月ブエノスアイレスにいたとのことで、アルゼンチンの政情についてどんな印象を持った?と聞かれ、「安定しているように見える」と言うと、結構いろいろあるのよー、と、アルゼンチンの政治事情について、マスコミとの癒着や、こうやってしょっちゅうストやデモが起きている理由などひとしきり教えてもらって超勉強になった!
「日本人と話す機会ってめったにないから、日本の政治についても教えて」と言われ、いきなり言葉数が少なくなるわたし。もう、政治的な語彙が完全に枯渇していて全然でてこない!LDP(自民党)とか簡単な単語まで度忘れしてiPhone英辞郎に聞く始末。たしかー、選挙が来月にあるからー、また首相が変わると思うー、日本の首相しょっちゅう変わるヨー、という薄い話しかできなかった。シンガポール国立大学政治学科でダメ留学生として、ゼミでいつもこのレベルの発言しかできなかった時代を懐かしく思い出した。
思わぬラッキーな出会いのおかげで無事パレルモに戻ることができて安堵。気になっていた肉屋へとおもむき、遅めのランチ。ワインのハーフボトルを開け、美味しいリブをいただき大満足。むっすりしたお店のおじちゃんたちも、さりげなく優しくていいかんじ。
ほろ酔いで、レストランで帰りがけにもらった棒付きキャンデーを舐めながらパレルモ・ソーホーを散策し、可愛いバッグをヒップな感じのお店で購入。カフェでコーヒー飲んで休憩したら、もうそろそろ出発せねばならない時間。
ホテルに戻ってレセプションのCちゃんに「ブエノスアイレス最高!わたしまた来るから!」と宣言してお別れ。
夕刻の渋滞のなかをゆっくりと走る車。地下鉄はまた動き出した模様。名残惜しくブエノスアイレスと、南米とお別れ。Adios!