ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日

marik2013-02-18

李安先生は相変わらずいい仕事する。すばらしい。単純にサバイバルの物語としても面白かったし、虎が象徴するものは何か、と考えながら見ても面白いし、さらには後半で語られるストーリーに思いをめぐらせながら後から映画を思い返しても味わい深い。ほんの小さな役をわざわざジェラール・ドパルデューが演じているのが意味深だったり。
海のありとあらゆる表情を作り出した映像は、時として気が遠くなりそうなほどの美しさ。波ひとつない鏡のような、ありえない海のシーンが特に印象的だった。オープニングタイトルの、心地のいい音楽と素朴な動物園の映像も素敵で、家のなかで日がな一日あの映像と音楽を流して過ごしたいくらいに好き。