ホーリー・モーターズ

marik2013-04-16

ものすごーーーく久しぶりに観るレオス・カラックス作品が、まさかこんなにコントっぽいとは思わなかった!ドニ・ラヴァンのチキチキ11変化。
ドニ・ラヴァン(老けた!でも若いころよりちょっと好感もてる)演じるオスカーという名の主人公がストレッチ・リモでパリ市内を移動しながら、指示通りの人物に変装して、車を降りるたびにその役柄を演じる、という設定。トータルで11人分くらい演じていて、かなりシュールで楽しい。ゴジラのテーマソングが流れるシーンとか、笑いが止まらなかった。そしてそのシークエンスでエヴァ・メンデスが笑ってはいけないパリ、みたいな試練を与えられていてウケた。メンデス、アウトー!ってならなかったのが偉い。
インターミッション部分でバンドネオンを弾きながら歩いているとどんどんミュージシャンが増えていく場面がめちゃくちゃかっこいい!あの場面だけ何度でもリピートしたい。あと、カイリー・ミノーグ姉さまがフランス語を話していてキュート。ミュージカルっぽくなるシーンが好き。
この映画、あれこれ解釈したくなるムービー・オブ・ザ・イヤーの筆頭候補。わたしは、Holy Motorsということで神の見えざる車に乗せられて人間はいやおうなしに動かされ、与えられた役柄をしっかりと生きざるをえない、という意味なのかなー、と思ったり。あるいはもっとシンプルに、役者という生き方を端的に描いているのかな。