ペコロスの母に会いに行く

marik2014-01-17

しみじみといい映画。認知症の母親の現在と、その若いころの記憶と、息子や孫との関係が織り成す物語のなかに、生きるということの豊かさや美しさが静かに輝いていた。涙の地雷原があちこちにさりげなく仕掛けられている一方、さらっとしたユーモアもそこここにちりばめられていて、愛情に満ちた丁寧なつくりのとても心地よい作品でした。長崎を舞台にした映画の心のベストテン第一位にいきなり躍り出た。

坂だらけの町に暮らすしんどさをリアルに思い出したり、岩松さんの超絶ナチュラルな長崎弁(岩松さんが川棚の出身って知らなかった!)が非常に耳に快かったり、今のランタンフェスティバルって眼鏡橋方面まで範囲が広がってるんだ?と驚いたり、竜踊りがたっぷり見られて大満足だったり、まさかの原田姉妹の競演に色めき立ったり、グラバー園三浦環像が懐かしかったり、何度も写りこむ母校が懐かしかったりと、香港映画を見ているときと同じくらい郷愁を覚えてしまった。