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marik2014-08-08

スパイク・ジョーンズのような魅力的で才能あふれる輝かしき男性でも、終わってしまった愛をぐずぐず引きずったり、恋に思い悩んだりすることがあるんだ、とちょっと意外な発見。なんかもっと恋愛に対してさらっと飄々としてそう(わたしにジョーンズのなにがわかるというのだろう)なイメージだったので。OSと人間との恋愛で紡がれるのは普遍的な愛のはじまりや終わりという、新しくも懐かしいかんじの映画でした。あんな風にすごくいい感じで会話ができる相手、好きになっちゃう気持ちわかるよ!と思ってしまった。あぶないあぶない。近未来のLAが舞台なんだけど、なんだか中国の都会みたいな光景だなー、エキストラに東洋人多いなーと思ってたらロケ地は上海だったので超納得。すごく発展しているようでいてどことなく空疎な感じがする景色と、洋服やインテリアなどのぬくもりのある色合いのバランスが絶妙。やそして現代よりほんのり進んだテクノロジーがいろいろ楽しい。主人公が遊んでるゲームで、手を犬かきみたいにカスカス動かすとスクリーンのなかのひとが歩く、という設定が楽しいのと、そのゲームに現れるFワード連発の口の悪い生物がすごく好き。(あの生き物、スパイク・ジョーンズが声を担当してたんだ!うける)

元妻役の女子がソフィア・コッポラを可愛くしたようなかんじで、初めて見るけどかわいい子だなあ、と思ったら、ドラゴンタトゥーの女だったのか!全然気づかなかった。めっきり貫禄のついたホアキン・フェニックスを見ていると、もしもリバーが生きていたら「あー、最近リバーも老けてきたなあ」とか映画みながら思ったりしたのかなあ、としんみり。
主題歌のThe "Moon Song"もすごく好き!このMVの冒頭のエイミー・アダムスのせりふがすごく好き。この後に続く「恋って社会的に許容された狂気だもの」みたいな言葉が名言。