6歳のボクが大人になるまで

ちょっと!これ名作!1人の役者が6歳から毎年夏の数日間の撮影で演じ続けた12年間の静かな輝きのつらなり。人生そうそう大きな事件はおきないし、魔法のようにラッキーなことが起きたりはしないけれど、まあいろいろあるよね、という断片を切り取った、本当に美しい映画だった。年月の切り替わりを、主人公の顔つきの変化や体の成長や声変わりによって判断するところが楽しい。あの子、成長するにつれスカーレット・ヨハンソンに似ていくなあと思ってました。似てない?しかしアメリカのティーンは早熟だね。
原題は”Boyhood”だけど、同時にこれは”parenthood”の物語でもあったと思う。子どもが自我を確立していく、あらゆる希望と可能性に満ちた時間のまぶしさと、大人が親として生きる時間を積み重ねていく尊さの両方が描かれていた。両親役のイーサン・ホークパトリシア・アークエットが年をとっていく様が胸にぐいぐいくる。。。『トゥルーロマンス』の時のぷりっぷりで魅力炸裂のパトリシアを何度となく思い出してはしみじみ。お母さんのだめんずっぷりがすさまじかったけど、人生の切り開きかたがかっこよかった。