スペイン旅2015 Day 2 バルセロナ

朝ごはんどうしよっかー、と、TripAdviserで近場にある高評価のカフェを探して行ってみると、なんとなく普通。なんとなく普通のパン・デ・チョコラテとカフェ・コン・レチェで朝食を済ませ、ぷらぷらと歩いてみると、いいかんじのカフェがホテル近辺にたくさんあった。やはり旅先でのちょっとした飲食店は、ネットの情報よりも自分の足と目と鼻で探すが吉。
近所のオーガニックスーパーでおしゃれインセンス的扱いの毎日香や、枝豆ミソラーメンや玄米ラーメンなど斬新な食料品を見つけてはしゃいだあと、バルセロナ探索開始。気候がちょうどいい!

隣駅のUniversitatまで歩き、ZARAなどのぞいたりしながらカタルーニャ広場へ。カタルーニャ音楽堂に行きたいとAが所望し、ぐるぐる探し回っていると裏通りにすっごく可憐な装飾の建物を発見。すっごいきれい!何このハイクオリティな建造物!と盛り上がって写真を撮りながら建物の正面に行ったらまさにそれが音楽堂だった。しかしながらここ、コンサート以外だとガイドツアーでしか中に入れないみたいで、窓口でチケットを買ってるひとが「次にavailableな英語ツアーは夕方」と言われているのが聞こえて退散。

大通りを歩いていたら、建物の間に美しい尖塔が見えて、なんだあれは!と興奮しながら押しかけてみるとバルセロナ大聖堂だった。

たぶんだけど、20年前にも来ているはず・・・ぜんぜん覚えていない・・・。キャンドルが、自分で火をつけるタイプではなく、お金を入れるとキャンドル型のライトにいくつか灯がともるという最新テクノロジーが駆使されていた。このシステム初めて見たけど最近は多いのかしら?ノートルダムとかもこうなるのかしら?

教会をたっぷり堪能した後はピカソ美術館へ。しかしチケット売り場には長蛇の列。またどこかのタイミングで来ましょうとひとまずスル―。狭い路地をうろうろするのがめっちゃ楽しい。結局バルセロネータのほうまで歩き、7 Portesでご飯食べようとしたらまだお店が空いていなかったので、海のあたりを散歩。

巨大えび発見。西日ゆるキャラ対決。ほんと、自分が人前でこういう写真を撮るような人間に変容するとは思わなかった。


そろそろ開いたかな?と7 Portesに向かい無事入店。重厚かつ温かみのある素敵な店内で味のあるおじいちゃんたちがちゃきちゃき働いていて楽しい。カバのサングリアという素敵すぎる飲み物をピッチャーでオーダーして乾杯。しあわせ。でっかいホワイトアスパラやコロッケ的なもの、つけあわせのオリーブですら最高に美味しい。そして旨みたっぷりのイカスミのパエリア!しーあーわーせーー!!とパエリアを咀嚼しているとガリリリリっ!!と今までに聞いたことのない大きな音が口のなかにこだまし一気に目がさめる。口のなかで交通事故が起きたかのような音にパニックになり、歯おれた?歯が数本おれた?とどきどきしながらさぐると、犬歯の先端が若干欠けていた。前歯ががっつり折れたりしなくてよかった〜(ポジティブ)。アサリの殻のかけらとか噛んじゃったのかな?パエリアで歯が欠けるってナゾすぎて可笑しくてずっと笑ってた。


すっかりお腹が満たされ(歯は欠けたものの)、ほろ酔いでまたピカソ美術館方面に戻ると行列がけっこう短めだったので入館。ピカソの『ラス・メニーナス』模倣シリーズ、20年前にすごく気に入っていたのを思い出した。これの元になったマドリッドプラド美術館にあるベラスケスの絵をのちに観て、そのギャップがとても愉快だったのだった。ピカソ版のラス・メニーナスに描かれた影男(ベラスケス版は真ん中にドアに立つ男を配置することで、この絵に光をとりこんだ的な話だったような)と犬(我々はこの犬をポチと呼んでいた)がたまらなく好き。ほとんどオブセッションに近いほどのおびただしい数の影男とポチ、あるいは王女と女官たちの絵がさまざまな色で描き分けられた絵が並ぶ部屋は壮観。鳩がオブセッションっぽい勢いで何枚も描きまくられた部屋もあります。

エキシビジョンのエリアにはピカソとダリを並列して展示してあって、これもとても面白かった。ダリがピカソをちょっと後追いする感じで初期の精緻な絵からシュールな作風に変わっていく様子に、シュールレアリズムの世界に活路を見いだして全力で奇人になりきろうとした努力のあとが感じられるようで、ダリって実はとてもまじめで繊細で頑張り屋さんなのではという気がしてきた。ピカソは天才肌の変わり者だけど、ダリの奇矯さは努力によって確立されていったもの、という新たなイメージ。そういえばMOMAで初めてダリの『記憶の固執』を見たとき、わたしはあの絵のナイーブさと切なさに心うたれて泣いてしまったのだった。でもダリ美術館とか行ってみたらまた印象は変わるのかな。

さらにだらだら散歩。バルセロナ大聖堂の近くにピカソの落書き発見。


渇いたのどに梨汁補給。zumo de peraぶしゃー!


カタルーニャ広場はハト地獄だった。こちらは心なごむ一枚。シャボン玉パフォーマンスって初期投資が少なくて、かつ人を確実に楽しくさせるから素敵ね。

一旦ホテルに歩きながら戻る途中、バルサのユニフォームを着たひとがちらほら目につくようになり、気分が盛り上がってくる。ホテルからメトロを乗り継いでCollblanc駅に向かい、いざカンプ・ノウへ。リーガ・エスパニューラのバルセロナとヘタフェの試合。スペインのサッカー・ファンは熱そうなイメージが強くて、カンプ・ノウに向かう途中からちょっとどきどきしていたけれど、結構みんな気楽な感じでのんびりした空気で安堵。わたしは唯一知っているプロスポーツ団体の応援歌、♪いざゆーっけー、むてきーのー、若鷹ぐーんだーんー、を熱唱しながら歩き、「ほんまやめて〜」とAからクレーム。


出発の一週間前くらいにバルサのHPで取ったチケット、70ユーロくらいだったんだけど、かなり前のほうの席でめっちゃテンションあがる。有名な"MÉS QUE UN CLUB"(クラブ以上の存在、というバルサの標語)が書かれたスタンドの真下だったみたいでその文字は見えなかった代わりに、お向かいではカタールさんが猛アピール。カタール航空バルサのスポンサーになることで得た効果ってどれくらいあるんだろう?


最前列に陣取る応援団のノリがすごく楽しかった。サッカーの試合をスタジアムで観るのは初めてだったので、プロの圧倒的なスピードに感動。素人目にもはっきりわかるメッシ先生の安定の仕事人ぶり。前半のバルサ側のゴール近くに座っていたので、5点分のゴールを目の当たりにしてめっちゃ興奮。あの子らサッカー上手いなー!とひたすら興奮。

バルサの選手がたまにゴールを外しても、「ようやった!」的にスタジアムが拍手に包まれるのが温かい気持ちになる。あと、すごい久しぶりにウェーブに参加した。みんなで歌う、バルサバルサ!バールサ!というテーマソングがキャッチーですっかり気に入ってしまった。(そして後日バルサ!貼るさ!のCMを見て死にそうになった。あれほんっっっとにやめてほしい)

行きしと違うゲートからスタジアムを出て適当に人の流れについて行っていたら駅の場所が分からなくなり、通りすがりの家族連れのおじさんにスペイン語で道を尋ねたら「ワタシ、スペイン語ワカリマセン」と言われて逆に英語で聞けてよかったけど結局おじさんも旅行者のためよく道わからず。アイホンを頼りにしつつ、本気で暗い道は討議のうえ避けながら無事駅に到着しメトロにて帰館。
昼間にすっごく歩いたし歯が欠けたし試合で興奮したし時差ボケマックスだしで意識もうろうとしながらヨーグルトだけ食べて就寝。寝る前にふと、ネイマールバルサ移籍が発表になったとき、「スペインに行ってメッシとネイマールが同じチームでプレイする姿をみたい」とふわっと願っていたな、ということを思い出した。夢かなったね!