スペイン旅2015 Day 9 バルセロナ

おっはよー!と窓の外をみると、目の前のガウディ広場の池(タイミングによっは水面に逆さサグラダファミリアが映ってまあまあきれい)の水を抜いてお掃除中。濁った池だったけど、定期的にちゃんとケアしてるんだ!

バルセロナの観光名所をオンラインで予約した場合、入場の際にiPhoneQRコードを表示させて入るバターンが多かったのだけど、翌日いこうと思ってるカタルーニャ音楽堂はチケットをプリントアウトしなきゃいけなさそうなので、出かける前にアパートメントの管理事務所に立ち寄って甘えてみる。事務所のPCを使わせてもらって予約を進め、ちょっとややこしいプリンターの設定・印刷までさくっと済ませるA(ITのプロ)が「あなた仕事早いわね!ここで働かない?わたしちょっと遊びに出かけてくるから」と事務所のひとにスカウトされててウケた。

近くのいいかんじのカフェで朝食をとり、地下鉄でParal-lelに向かい、フニクラ(ケーブルカー)に乗り換え。フニクラどこだー、と探しながら我々が歌うのはもちろん鬼のパンツ(フニクリフニクラ)。鬼のパンツとか100万年ぶりに歌ったけどちゃんと振りつきで歌い踊れるものだね。

モンジュイックの丘に登るケーブルカーを見た瞬間、これ昔乗ったことある!ここで皆ではしゃいで写真撮った!と思い出した。乗ってる時間は2、3分だったかな。香港のビクトリアピークに上がるあのケーブルカー的なかんじです。あれみたいに首が折れそうなGはかからないけど。

丘の上に到着した時点で、予約したミロ美術館の入館時刻までジャスト1時間ほど。バルセロナ市内が見渡せる絶景ポイントのモンジュイック城に行ってみることに。ゴンドラ乗り場が大行列で20分ほど待って乗車。

ようやく上についてモンジュイック城で入場券を買うとき、窓口のお嬢さんが「せっかく来たのに霧がでちゃって残念ね。まあとにかく楽しんできて〜」と陽気にコメント。そういえばさっきからなんか視界がやたらと白いと思ってた。。。あと、ものすごく寒くなったよね。。。

白い。。。寒い。。。何も見えない。。。



ただただ白い虚空を眺めながら探索終了。急いでゴンドラに乗って山をくだる。ミロ美術館にGO! 一番好きな画家は?と問われたら、アンリ・ルソージョアン・ミロかどっちか決めかねちゃうくらいに大好きなミロ先生。

20年前にこの美術館に来たとき、館内に大きく掲げられていたポートレイトに写る老年期のミロの、無邪気さと茶目っ気しかない無垢な瞳に大変感銘を受け、わたしもあんな風にまっさらに澄んだ目の大人になるのだ!と心に誓い、今でも年に何度か「今、わたしはミロみたいな目になりつつあるだろうか」と己に問いかけているのです。一昨年あたりの仕事しないで1年間ただただハッピーに過ごしていた時期はけっこうミロ度の高い目になってるかもー、と思っていたけれど、仕事に追われてると死んだ魚の目になりがちなのであらためて気を付けよう。でも今回気づいたのは、中年期くらいのミロってけっこう鋭い目をしているので、あの濁りのないまっすぐな瞳は年齢と経験を重ねていくことによって輝きを増していったものなのかもしれない。

絵画にとどまらずセラミックや彫刻やさまざまな表現に、何歳になっても新しく取り組んでいった姿勢も素晴らしい。次回マジョルカ島に行ったら今度こそミロのアトリエに行かなければ。


ミロの世界にたっぷり浸ったあとは美術館のカフェでビール飲みながらランチ。モンジュイック城での霧など一切なかったのような晴天。

ふたたびフニクラに乗って低地に降り、アパートに戻って休憩したあと、お向かいさんの建物に出動。いざ、サグラダファミリアの内部に潜入です。入場&塔に上る指定券を押さえたので行列を尻目にドヤ!と入ろうとしたら夕方なのでどっちみちそこまで人は並んでなかった。
部屋の窓から毎日全体像を眺めるのもしあわせだけど、近くによって細部を眺めるのもとても楽しい。ドアとかほんっとかわいい。教会の扉にマリキータ(てんとう虫)とかいるの!


そしてサグラダファミリアの土台を支えているのは亀。変わらないものの象徴とのこと。

20年前は内部はスカスカで、足場を組んで絶賛作業中だった記憶がうっすら残っていて、それがいまやかなり完成に近づいていて、入った瞬間にあまりの美しさに、ちょっと泣きそうになった。新築っていいね!





うっとりと一周したあと、塔に登る予約の時間になったので、エレベーターへ。ハイテクなしつらえ。

一気に塔の上部へ。ど真ん中にあるハトたちがこんなに近い!

わたしたちの家も見えるー!真ん中に見えるのが水を抜いた池です。

あと、Aがサグラダファミリアについて「塔の上のあのテボテボがかわいい」とよく言っていて、テボテボって何?と何度聞いても理解できていなかったのですが、近くで見てわかった。たしかにテボテボというかんじ。マカロンみたいでかわいい。テボテボ。

細部がいちいちかわいい。





狭い螺旋階段を長々と降りて地上に到達し、また教会内をひたすらうっとり眺め続ける。離れがたい。こういうキリスト像のデザインって今まで見たことない。

さらに地下の資料館を探索。サグラダファミリアを作り始めた当初、あのあたりは野原だったらしい。建物の横に可愛らしい小屋があって、当時の作業員の子どもたちが勉強する学校として作られたと書いてあった。

教会を作るのに、どれだけの数の人生がここを通りすぎていったのだろうと思いを馳せると、なんとも果てしない気持ちになりますね。しかもわたしたちが生きているあいだにその完成を見届けることができるなんて、幸甚の至り。

ディナーはアパートメントの横のバルで。オーナーが同じなので宿泊者にはカバ1本贈呈という太っ腹なサービスの恩恵にあずかり、今宵もほろ酔いで過ぎていくバルセロナの愉快な夜。