Netflix中毒

『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』だけじゃなかった!Netflixオリジナルのドラマがおもしろすぎて、最近ぜんっぜん小説読んでない。やばい。以下3本のコメディが特に素晴らしかったです。

  • Derek

去年ぐらいから海外の友だちに「リッキー・ジャーヴェイスの”Derek”っていうコメディがハートウォーミングですごくいいよ!」とおすすめされてたんだけど、リッキー・・ジャーヴェイスとハートウォーミングという組み合わせがどうにもピンとこなくてナゾだったのでした。なんとなくパイロット版を見てみたら、もうすっかり虜!めちゃくちゃハーーーートウォーーーミング! がっつりと笑わせるというよりは、とぼけた味わいのなかに切なさがたっぷりまぶされていて胸に響く。



老人ホームの職員と入居者たちをドキュメンタリーとして撮影している風の、いわゆるモキュメンタリー。そこで働くデレクは、フォレスト・ガンプっぽい一途さと優しさに満ちた、人間の善き部分のかたまりで、愛さずにはいられない。リッキー・ジャーヴェイスって本人のイメージも芸風も、失礼だったり尖ってたり辛辣だったりという印象が強いので、すごく新鮮。今度のゴールデン・グローブ賞でふたたび司会(リッキーのGGでの司会は洒落にならないレベルでキレッキレ)やるっぽいんだけどまた各方面から怒られるのかな。

登場人物も個性強くて、同僚のハンナが大好き!人としての器の大きさが半端ない。頭突きのシーンがめっちゃ好き。

舞台が老人ホームなだけに、生きることと死ぬことの真理が浮き彫りになる瞬間が幾度もあって心が何度も揺さぶられた。とくにシーズン2の最終話のラストが素晴らしくて、声をあげておいおい泣いてしまった。非常に細やかで深い、切なくもしあわせな気持ちになる作品です。

  • マスター・オブ・ゼロ

インド人が主役でこの邦題なので、サムネイルだけ見ているとインド哲学でもからんでそうなシリアスなドラマっぽくてスル―していたのだけど、全然ちがった!ばりばりアメリカンなインド系男子による現代人あるあるコメディ。のっけからUber blackにするかUber Xにするかというやりとりが出てくるのが、いかにもいかにも。ニューヨークが舞台なのもあいまって、男子版の超超地味〜なSex and the Cityといった趣で笑えます。
そういえばSATCのマグダが出演していてお元気そうなので嬉しかった!このトレイラーにも出てきます。ベン・キングズレーの名前が出るくだりウケる。

移民してきた両親の次の世代のアメリカ人としてのアイデンティティや差別へのカラッとしたスタンス、新天地で道を切り拓いた両親たちへの尊敬なども見てとれるのが素晴らしい。
主人公のデフを演じるアジズ・アンサリの本当のパパとママが両親役で出てきて、めちゃくちゃいい味出してるのも好き。ゲストも豪華。『ホームランド』観たばかりだったから、クレア・デインズがのびのびした様子だったのが安心した!

アジズ・アンサリって今回はじめて知ったんだけど、もともとスタンダップ・コメディアンだったそうで、彼のショーもNetflixで観られます。彼の話し方のリズムとか発音とか声のトーンとか、なんか耳に心地いい。このひと絶対いいひとだな!って気がする。

  • Wet Hot American Summer: First Day of Camp

もう、ばか!とにかくばかばかしい!最高!!こういう全力でくだらないコメディが心の底から大好きだ!!!とあらためて思った。サマーキャンプに集うティーンエージャーを中年たちが演じるアホらしさ。

これ、2001年公開の”Wet Hot American Summer”(スターウォーズで言うとエピソード6)という、キャンプ最終日の出来事を描いた映画(これもNetflixで観られます。もちろんくだらなくて最高)の前日譚、キャンプ初日を描いていて(スターウォーズで言うとエピソード1)、当時のキャストが今回も同じ役を演じていて、いろんなエピソードにちゃんと伏線を張ったりしているという、アホらしいのに丁寧な仕事ぶりがたまらない。
ブラッドリー・クーパーとかポール・ラッドとか、いまや大作で主役をはるレベルに成長した役者が全力でしょうもない芝居を見せるのがアツい!エイミー・ポーラがしゃべるたびに「あー、ヨロコビの声!」とやたらウキウキしちゃうし、クリスティン・ウィグやクリス・パインのしょうもなさもたまらない。
さっきのマグダつながりでSATCの出演者でいうと、キャリーが最初の本を出版したときの編集者と、”pee of not to pee”という名タイトルの記事にしたあの政治家役の人が出てる。ブレイク前のブラッドリー・クーパーも”Single and Fabulous"のエピソードで、キャリーといちゃつく男子役で出てましたね。