母と暮らせば

嵐の若いファンの子たちがこれを観て何かを感じ取ってくれたらいいな、と中年っぽいことを考えながら見ていました。この不穏な時代にこういう作品を作ってくれることが、長崎の人間にとっては非常にありがたい。序盤、机に置かれたインク瓶が映っているだけというミニマムな構図のなかに、日常が、未来が、一瞬で奪われていく様がとても鮮烈に表現されていて本当に心が震えました。
ネタバレになっちゃうかもだけど、ティム・ロビンスが出てた『ジェイコブス・ラダー』っぽいなあと思いながら観ていて、見終わったあともやっぱり『ジェイコブス・ラダー』っぽかったな、と思いました。あれよりも全然マイルドで優しくて上品な作風だし、基本的な事象のタイミングも違うし、後味はいいので、まったく別物ではあるのだけれど。ラストシーンが、大好きな黒崎教会なのがうれしい。