ヘイトフルエイト


血しぶきブシャー!がっつり物騒な映画を久々に観た気がする。
いつだってわくわくするタランティーノ作品のオープニングが、今回はわりと静かで不穏さがじわじわとわきあがる感じでまた一味ちがってよかった。エンニオ・モリコーネニューシネマパラダイスのあの泣かせる旋律を産んだ偉大なおじいちゃん)の音楽にしびれる。
レザボア・ドッグス』的な緊張感と『ジャンゴ』的なピリピリ感。悪いなあ。みんな悪い。でも憎めない。オープニングクレジットで「え、この人がタラちゃん映画に出てるの?珍しい!」と思った俳優の使い方が、なかなかトリッキーでおもしろかった。
リンカーンの手紙が出てくるくだりがいずれも良くて大好き。とくにラストが素晴らしい。暴力と憎しみで腫れ上がった世界でちらりと輝く、抒情的な余韻。