シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ


なんかこう、1月のSMAP解散騒動を思い出しちゃった。この映画を観ながら。あるひとつの愛されている集団のなかで、それぞれが正しいと思う道筋が二つに分かたれたときの、あのモヤモヤするかんじ。

これはもうほぼアベンジャーズですね。アベンジャーズ2.5。『マーベルヒーローズ大集合!盾と矛、どっちが強い!?カーニバル〜〜!』といったノリで、アベンジャーズが二手にわかれてパフパフドンドン喧嘩します。正義の味方たちが互いをボコり合うさまに「平和のために身をささげているはずの彼らですら、互いの意見の食い違いのせいでこの始末なのだから、この世から争いが無くならないわけだな。。。」と切なくなる一方、「みんなつよい!みんながんばれ!たーのーしーいーーー!」という超絶ハイレベルな格闘技の試合を観ているようなわくわく感もハンパない。

とはいえタイトルの通り、主役はあくまでもキャプテン・アメリカ。キャップの前半の行動、気もちはわかるけどさー、わたしもバッキー好きだからフィーチャリング・バッキーは嬉しいんだけどさー、アベンジャーズの存続が危ぶまれているご時世にその行動はどうなの?と理解しがたかった。己が正義だと信じこむ正義をかたくなに貫きとおす様子が、ステロタイプアメリカそのもののようにも思えて。しかしながら、後半でキャップが”I can do this all day”って言ったとき、ぐったりしてたバッキーがとっさにキャップを守ろうとびくっと動いた(動いたよね?見間違い?)のが、キャプテン・アメリカ第一弾のあの場面の再来だ!と、最高に胸にぐっと来ました。

もう、好きな登場人物が多すぎて目と心が落ち着かないのだけど、なんといってもマーティン・フリーマン!!!!!まさかSHERLOCK組からシャーロックよりも先にワトソンがマーベル映画に登場するとは。いかにもマーティンっぽい役柄でニコニコが止まらなかった。カンババッチ@マーベルの『ドクター・ストレンジ』、アメリカでは11月公開ですって。早く観たい!次のアベンジャーズでシャーロックとワトソンの共演とかありえるのかしらん?
ポール・ベタニー様のヴィジョンはだいぶ見慣れてきたと思ったけど、出てくるたびにやっぱりちょっと笑う。赤ベタニーがしれっと洋服きてたり(戦っているときは全裸にマントってことかな?)、お料理したり、人間に近づこうとがんばるさまがいじらしい。ドアを使わずに壁からにゅるっと部屋に入ってくるのは反則ですね。


新しいスパイディーが可愛い。スターク社長に「スパイダーボーイ」って呼ばれるのがぴったりな、新鮮しぼりたて100%オレンジジュース的なフレッシュ感。しかしマリッサ・トメイがメイおばさんを演じるなんて、歳月を感じるよ。。。新ピーター・パーカーがスパイダーマンとしてシュタっと登場するシーンは990点(TOEIC満点)あげたいくらいの完璧さ!「蜘蛛屋!!!」と声をかけたいくらいほどの歌舞伎的な様式美。同じ赤&青ベースだからキャップの盾との親和性がめちゃくちゃいいのもミラクル。しかし我々が生きているあいだに、あと何回、新たな役者がピーター・パーカーを演じ、あと何回ベンおじさんが死んじゃうのだろう。

ポール・ラッドは好きだけど、『アントマン』はアリが大量に出てくるという恐ろしい情報により避けてたんだけど、やっぱりポール・ラッドが出てくるだけで最高だしアントマン楽しそうなので、勇気を出して観てみようかな。アリの大群。

そして突然あらわれる黒ニャンコちゃん。誰?って思ったらブラックパンサーなのかー。爪が出し入れ可能なとこがかわいい。

2時間38分もあるのにぜんぜん長くかんじない!ずっと続けてくれてもいいと思った。ヴィジョンが煮込み料理をコトコトと作ってる様をずっと流し続けてくれてもいいと思った。