TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ


今年みた映画で今のところ一番すき!宮藤官九郎監督作品の中でも断トツで一番すき!何も考えないで観る分には、とても楽しい映画でした。

クドカンの舞台におけるのびのびした悪ふざけに満ちた空気感が、映像作品にここまで濃く漂ってるのって珍しいな、と思いながら見ていて、皆川猿時の登場でその印象が決定的に。猿時が女子高生という力技、舞台でよく見てる感じだから自然に受け止めてたけど、よく考えたら、これ、TOKIOのメンバーとか神木くんとかが出てる、普通に健全な若者が見に来る劇場映画じゃん!何やってんの?!最高すぎる!

隅から隅までばかばかしくて(特にしょうもなくて好きだったのが、鬼が「マザファッカ... マザファッカ...」とつぶやきながらさめざめと泣くところ、何度も動物に転生する主人公、銀座・鬼野楽器というネーミング、地獄のコードH。思い出すだけで笑う)肩を震わせて笑い続けたうえに、美しく切なく幸せなラストシーンにほろっと泣いてしまった。最高すぎる。天国よりも地獄のほうが魅力的だと感じさせるクドカンマジックおそるべし。

ごりごりのHM/HRな音楽も超よかった!オジー・オズボーンとかランディ・ローズのネタがちらっと出てくるのもうれしい。Charと対決してる小太りの中年は誰?とよく見たら野村義男だったときの衝撃。たのきん全力投球。。。あと、ローリーはともかく、マーティ・フリードマン、何やってんの?めっちゃ笑った。

15、6年くらい前、渋谷のフルーツ西村の前を通りかかったところショーウィンドウの中に神木くんが立ってキャッキャ笑っていて(信号待ちのあいだに他の子どもたちと遊んでいて、ふざけてそこに入り込んだ様子だった)、その尋常ならぬ透明感と天使っぷりに感動したことがあったのだけど、そんなエンジェルだった神木君が地獄で鬼の形相でギター弾いてる(ギターは顏で弾く!)のを見ながら「おばちゃん、神木くんがこーんなちっちゃかった頃から知っとるんよ。大人になりんしゃったねえ」としみじみしちゃったよね。ヘン顏が本気で変な顔になるところが、すごくいい役者だと思う。そして長瀬くんとクドカンの組み合わせは、デニーロとスコセッジばりに盤石の安定感。

さんざん笑って観おわったあと、命があるって、生きてるって、ほんとうに素晴らしい!と、地獄絵図を振り返りながらあらためて実感させられるところも、やっぱりクドカン天才だと思った。