未来を花束にして


1912年の英国が舞台なので、『ダウントン・アビー』のシーズン1と同じ年ですね。デカプリオとケイト・ウィンスレットタイタニック号の上で”I’m flying!”ってキャッキャしていたのも同じ年。婦人参政権運動は、ダウントンではシビルちゃんが支持していたような記憶がうっすらと。この映画における洗濯工場の過酷な労働環境を見ていると、当時の労働者階級のなかでもダウントンみたいなお屋敷のメイドや厨房で働けるのってラッキーなことなんだな、とあらためて思いました。
こちらは階級社会でさらに、雇用主や夫など、男性からの強い圧を受けながら生きていた女性たちが選挙権を求めて戦うお話で、自分の属性により不当な扱いを受け、体制からいかに攻撃されても己の信念に忠実であり続ける姿を描くストーリーが、ちょっと『沈黙』に通じるものを感じました。投石やら爆破などなかなかアグレッシブなことも厭わないので驚いたのだけど、彼女たちが求めたのは人として平等に扱われるべき権利であることと、あの時代に異国で声を挙げてくれたことがめぐりめぐって平塚らいてうなどに伝わって、現代の日本で生きる私たちが恩恵を受けているのだと思うと胸が熱くなる。