素晴らしきかな、人生

言いたいことはいろいろあるんだけど、なんといっても邦題。フランク・キャプラのあの名作のリメイク?と思わせておいて実はまったくの別物で、コンプライアンス的にいかがなものかと思っちゃうレベル。日本版のポスターが『ラブ・アクチュアリー』感100%なんだけど全然作風が違うのも罪深い。

映画の内容は、ストーリーや設定や最後の展開など、アイディアが出た段階ではかなりいい映画になる予感がしたのだと思います。重いテーマを扱っているし。でもなんかすべてが上手く機能しているとは言えなくて、最終的に「あ、はい」という感想しか湧かない。主人公のウィル・スミスも、その辛さはわかるけれど、なんだか愛しづらいし、それに対する仲間たちの対応もななめ上すぎて、無理やりええ話で終わらせようとしても「あ、はい」という感想しか湧かない。

良かったところは、原題や台詞に出てくる”Collateral Beauty”の字幕での解釈。文脈上、悲しみに付随する美しさ、みたいなニュアンスだと思うのだけど、字幕の「幸せのおまけ」もひねりがあって素敵だと思いました。あと、ヘレン・ミレンケイト・ウィンスレットキーラ・ナイトレイという英国の宝石のような女優たちが一同に会しているところ。しかし残念ながら無駄遣いに終わってしまっていた。。。