仮面の真実

ペストの爪あとが残る14世紀のイングランド。訳ありで逃走中の僧侶が旅回りの劇団の一員になり、通りすがりのある村で起きた殺人事件の真相究明に巻き込まれる。というより積極的に首を突っ込む。原題が“The Reckoning"なので、報いとか罰とかそういうニュアンスだと思うのだけど、確かにその題名に納得の内容。

重苦しい映像と物語の中に、「真実」や「希望」と言ったポジティブな単語がよく出てくるのが印象的でした。苦難の中で、それでも神を信じるということについて、という問いかけ何度か出てきて、聖書のヨブ記を思い出したり。あと、ポールが演じるニコラスが、ムラで起きた事件にやたら深入りするのには、贖罪の意がこめられているのかしら、とか。そういう、重層的なテーマをなんとか奥深く映像化しようとした頑張りが見られます。原作があるようなので、読んでみたい。

DVDのジャケットを見て、おっ、ウィレム・デフォーとの悪役顔対決!なにをやらかすの?と思ったら、二人とも意外と良い子。ベタニーが脱ぐなら(また脱いでる)オレもやるぜ!と言わんばかりにデフォー氏もバレエダンサーみたいな体をチラ見せしています。

ギャングスタNo.1の監督だけあって、ベタニーさんの美しい撮り方をよく心得ていらっしゃる。頭から尻尾まで、ベタニー餡がたっぷりつまった鯛焼きのように楽しめました。僧侶のコスプレ場面は、ダヴィンチ・コードのシラスのそっくりさんみたい(同一人物)。