意外と充実してるエアカナダ機内映画

エアカナダの映画セレクションがなかなかいい感じで、モントリオールからの帰りのフライト、ほぼ寝ないで映画ばかり観てた。

  • I feel pretty

自信を持てない女性が、あるきっかけにより突然自信満々になって快進撃。心の持ちようがすべて!思いこみ万歳!ありのままの自分ですでに最高なのよ!というメッセージを軽快にめちゃくちゃ楽しく描いていて、とっても幸せな気持ちになる。"Being confidence is sexy" って昔インタビューで誰だったか女性歌手が言っていて、ちょっと気持ちが縮こまりそうになるときに思い出す言葉なんだけど、まさにそういうスピリットがこめられた俺たちのための元気ムービーだった。エイミー・シューマーの作品って初めて見たんだけど、めっちゃチャーミング! ミシェル・ウィリアムズがコメディに出てるのって初めて見たかも。

  • Life of the Party

メリッサ・マッカーシー主演で親友役がマヤ・ルドルフ、っていうだけでもう確実に最高な映画ってわかる。大学時代に妊娠して中退した女性が、離婚をきっかけ(ゲスい旦那役が、いつも「Veep」の報道官役の人なのか「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」のカプートか見分けがつかないどっちかの方)に大学生活に再び挑戦!娘と同じ大学に入学!というお話。
年齢ギャップ物でありながら、年齢を理由に女性を見下すような描写がごく控えめなのが素晴らしいし、メリッサの陽のオーラがほんと楽しい。そして、娘役や彼女の友人たちのコメディセンスも最高にイカしていて、出てくる女性ほぼ皆最高!毎日見てもいいくらい好き!
この予告編にも出てくるGoogleのくだり、めっちゃ笑った!

  • Book Club

長いつきあいの女性たちが毎月課題図書を決めて集まるブッククラブで、いきなりフィフティ・シェイズ・オブ・グレイをぶっこんできたメンバーがいて、いやー、こんなんよう読まんわー、とそれぞれ拒否反応起こしたりしつつも意外とハマったりする様がとてもキュート。いくつになっても恋!ときめき!という勢いの素敵なお姉様方の姿にほんと元気でる。
年齢を重ねた素敵な名女優の生き生きとした様が最高すぎる上に、他のキャスティングも面白くて、ちょっとしたデート相手にいきなりリチャード・ドレイファスが出てきたり、キャンディス・バーゲンのデート相手が、SATCでキャリーが彼女に紹介した料理評論家役の人だったり、あと、何と言っても映画版のフィフティ・シェイド・オブ・グレイに出てるダコタ・ジョンソンのリアルお父さん(ドン・ジョンソン)がしれっと出てるのもめちゃくちゃウケる。マンマ・ミーアに続き、アンディ・ガルシアの壮年ロマンスも堪能。ダイアン・キートンの娘役がアリシアシルバーストーンなのも懐かしいかんじ。
この予告編も、笑える場面いっぱい入ってる!

書籍という概念が禁じられた社会。レイ・ブラッドベリの原作読んでなくてトリュフォーの作品も見てないんだけど、なんとなくお話の行く先はわかる感じのザ・ディストピア映画、といった趣。マイケルBジョーダン氏がめっちゃセクスィ。

  • Love, Simon

ゲイの高校生のカミングアウトについて、わりとポップに描かれている快作。音楽もいちいちよかった。幼なじみ役の女の子がびっくりするくらい美しい。大学時代のナタリー・ポートマンっぽい。

  • 美麗的意外

グイ・ルンメイちゃんが演じる冷血な弁護士が事故死した後、天国的なお役所の手違いで死んでしまった女性の穴埋めで一週間だけその人になりきって生きてくれたら、また元の人生に戻すから、との約束で人間界に戻る話。戻った先は反抗期の中学生女子とかわいい小学生男子と、ぼんやりした夫(とはいえチェン・クン)がいる家庭の専業主婦。これまで生きてきた世界とは全く違う立場で四苦八苦しつつ、いつしか人間味を取り戻す、的な。
ちょっととぼけた雰囲気の独特な世界で描かれる対照的な女性二人の環境が結構リアルで楽しくも苦しく、そして最後の方はやたら泣けてしまった。

紅葉と初雪 in モントリオール

モントリオールで週末デート。今年4度目の訪問となり、これにて春夏秋冬すべてコンプリート。紅葉は、山の方はピークを過ぎていたけど、街中はベストなタイミング。メープルの紅葉がこんなにも美しいとは!と毎日嘆息。



日曜日はめっちゃ寒くて雪がちらついていて、長い冬の予告編といった趣きだった。
そして今カナダでのホットなニュースといえばcannabis。マリファナの合法化2日目くらいにダウンタウンに行ったら、お店があるブロックをぐるりと囲む勢いで行列ができていた。外を歩いていて通りすがりの誰かからはっぱの匂いがする率は以前とさほど変わらないかな、という印象でした。

プーと大人になった僕

はじまって2分で落涙。子どものころ大好きだったあの世界が、やさしく、やさーしく目の前で繰り広げられるのだもの。
昔からピグレットとイーヨが好きで好きで。本の中で一番好きなエピソードは、イーヨが割れた風船を前に、「少なくとも、つぼに入れるものができたからよかったよ。。。」とか言うやつ。思い出すだけで涙が出る。そして大人になると、あの世界がよけいに身に沁みるのよね。
そういう、ちょっと切ないA.A.ミルンの原作世界を、ものすごく丁寧に、きちんと、映画にとりこんでくれていた。ブランドをしっかる守るという点でディズニーはほんとありがたい。ピーターラビットの実写版にも、同等の敬意が払われてさえいれば。。。とあらためて怒りが込み上げてくる始末。

I love Montreal in July 5日目: あとは帰るだけ。

早くもカナダを発つ日。荷造りの最中、メイプルバターのお菓子とか溶けやすいものを保冷剤と一緒に袋に入れて持ってきてくれたり、おかん並みの気働きをしてくれる男子。もう、ほんと、一緒にいると30分に一度の割合で「なんてええ子。。。」と毎日感動してしまう。

モントリオールでよく見かけるこういう家のかんじ、すっごく好き!

近所のレストランでブランチ。めっちゃ定番だけど美味しい!

注文するときにIが「彼女がこの後飛行機に乗らなきゃいけないから、なるべく早めで料理を持ってきてください」とお願いしていたので、サクサク対応してくれた上に、帰るときにお店の人たちが口々に"Bon Voyage!' "Have a good trip!"とか声がけしてくれて温かい。

あっという間に空港に着いてしまい、ぐずぐずと別れを惜しむ。セキュリティを抜けて、外の様子が見えなくなるギリギリまで手を振り合う際に、恋ダンスを踊ってくれるIがめっちゃ可愛い(個人の感想です)。

あとは東京まで直行!という状態が本当にありがたい。直航便ばんざい!機内で観たリース・ウィザースプーンとかオプラ・ウィンフリーが出てる"A Wrinkle in Time"という映画が、面白くなりそうで微妙に面白くなれない感じの不思議な映画だった。
そして“29+1”という香港映画がめちゃくちゃ良くて、おいおい泣いてしまった。日本でも『29歳問題』という邦題で公開されてたよね。

時差ボケ治らない。。。と、ぼーっとしたまま成田に着いてメールを見た瞬間に、数日後の北米出張の依頼が入っていた夏の思い出。

I love Montreal in July 4日目: W杯決勝戦、ビーチそしてカンフーヨガ

Iが朝から近所にコーヒーとパンを買いに行き、さらにめちゃくちゃ美味しいオムレツとスムージも作ってくれた。ええ子や。。。

この日はワールドカップの決勝戦。Iがペルーにいたときに開幕し、モロッコ戦や日本戦をはじめ、面白い試合のほとんどを南米と日本でチャットしながらずっと一緒に見続けていた今回のW杯。決勝戦を同じ場所で一緒に見られるなんて、ただそれだけでしみじみ幸せ。Iはフランスで10年暮らしていたのに(あるいはそれゆえに)フランス最高!大好き!というモードではなく、クロアチアを粛々と応援していた。

クロアチア残念!でもいい試合だった!さ、出かけよう!ビーチへ!ビーチっつても川だけど!

途中のSAQでスパークリングワインをゲット。小さい店舗だったせいか瞬間冷却機がなかったので、スーパーで氷を買ってクーラーボックスにガシガシ入れてスイカと一緒に冷やす。
一時間弱で、Parc National d'Okaという、川というか大きな湖というか、何かしらの水辺に到着。


広い!死海ぐらいの広さ。お酒、ちゃんと冷たくなっていた。

冷え冷えのスイカ美味しい!

水はちょっとだけ冷たかったけど、思いきって浸かると全然平気。海藻がいっぱいで、子どもの頃に五島の海で近づいてくる海藻をぼーっと見ていたらイラ(標準語だとクラゲなのかな?)がたくさんくっついていて、海藻の形にべっとりと太ももを刺されて腫れ上がってめちゃくちゃ痛かったトラウマがあり、「海藻怖い!怖い!」と最初は騒ぎまくっていたのだけど、もちろんここの海藻は無害。太陽にギンギンに照らされて、水に浸かりながらだらだらとおしゃべり。
上がってまたお酒。そして水に浸かる、の繰り返し。スイカをスパークリングワインに入れると更に美味。

海水浴と違って真水だと、水から出たあとも肌がべとつかないのがいい。真水浴を堪能し、帰路に。またTim Hortonsに寄ってフローズン・カプチーノタイム。
帰り道でオリンピック(1976年開催)スタジアムの前を通る。そういえば次の次のワールドカップはカナダ開催(アメリカとメキシコとの共同開催)なんだよね。モントリオールでもサッカーの試合が見られるかも。

帰宅してシャワー。そして、何食べるー?と会議。アメリカンなハンバーガーが食べたいきもちだったので、Burger Royalというアメリカンダイナー風のお店に連れて行ってもらう。サイドメニューはもちろんプティーン。美味!

夜空にうっすらと輝く細い月と金星がめちゃくちゃ綺麗で、よく見えそうな高台まで車を走らせてくれた。トルコの国旗みたいだねー、としばし見とれる。

ビールを買い込み帰宅。『カンフーヨガ』を観ながら飲んでいたんだけど、最後のオチで"Whaaaaaat?"と唖然として爆笑。遠距離デート、なぜかジャッキー・チェンの映画を一緒に鑑賞しがち。

I love Montreal in July 3日目: 梁山伯と祝英台

家から徒歩5分くらいのカフェでショコラティンの朝ごはん。いつものお店のクオリティとまではいかないけれど、これはこれで美味しい。お店の人がバリバリのフランス人だった。
モントリオールに通うようになって、フランス人が話すフランス語と、カナダ人が話すフランス語の違いが聞き分けられるようになった気がする。たぶん。 中国大陸の北の方の人の北京語と、台湾人が話す北京語くらいの違いと似たようなかんじだと個人的には思っています。

夏のあいだほぼ毎週のように国別花火大会が開催されていて、 この日の夜は中国が担当。Iが大好きな"Butterfly Lovers"という曲と共に中国チームの花火が打ち上がるらしくて楽しみ。 Le Rondeという遊園地の1日パスと、中にある特設エリアの花火シートのチケットをIがアレンジしてくれていた。
そこから逆算して、まずダウンタウンに行ってぷらぷら遊んで、それから遊園地で絶叫マシーンに乗っちゃおう!とはしゃぎながら一旦家に帰る途中で、突然気分が悪くなる。 熱があるような、ぞごぞごして節々が痛いかんじ。なぜ!数ヶ月に一度訪れる一番楽しい時間の最中に!!
ごめんちょっと休憩したい、と家でぐったり。ソファに 寝転がると、しんどくて動けなくなる。大好きなLa Rondeで久しぶりに遊べる!とワクワクしていたのに、嫌な顔ひとつせず いたわってくれるIは本当にええ子や。。。 めっちゃいい天気だけど、二人でずっとNetflixでフレンズとかクイアアイとか観てだらだら過ごす。

具合悪いはずなのに「ビール飲む?」と聞かれると「Yes!」と活気づく日本からの来客。「お腹すいた?餃子焼こうか?」と言われると「Yeeeeees!」とさらに元気に。

なんとなく体力が復活したっぽいので出かけましょう!と夕方近くにようやく外出。地下鉄にはじめて乗った!ダウンタウンにつくと、速攻Tim Hortons でフローズンカプチーノをゲットして休憩。いまだかつて見たことがないくらいに人がいっぱい歩いている。と言っても、金曜夜8時ごろの丸の内あたりぐらいのボリュームかな。快適です。
路上でカナダ軍のプロモーションとリクルートのイベントが行われていて、軍人さんがいっぱい。掲示されているポスターにはムスリム女性の軍人が写っていたり、 カナダの多様性を反映したものになっていて素敵。

ザ・日本なホットドッグ屋さんを発見。日本人が英語の母音を強調して話すことを、"Mind Your Language"という古いイギリスのシットコムに出てくるタローという登場人物から学んでいたIは、出逢ってすぐの頃、私がモロッコの首都Rabatのことを「ラバト」と発音したら、「おおおお、タローと一緒だ!」とめっちゃウケまくっていた。なので、Hotdog(ハッドッ)を「ホットドッグ」と普通に日本語 で発音するだけですごくウケてくれる。

この翌週ぐらいにモントリオールでコメディフェスティバルがあるとのことで、"Just for Laughs"のTシャツを着た人たちがセットの設営とかやっていてた。祭りのプロモーションの一環なのか、 シルク・ド・ソレイユっぽい人たちが街中をうろうろしていたり。

近くのショッピングモールでプティーンタイム。体が弱っている時に食べるとあたたかく身にしみる。

もし元気だったらLa Ronde 方面に渡る橋を歩いて渡る予定だったのだけど、体力的にちょっときついので、地下鉄&バスを乗り継いで遊園地へ。橋のライトアップ綺麗。

けっこう時間が迫っていたのでそのまま花火の観客席へ直行。ビール飲みながら素敵な音楽と花火の宴。Butterfly Loversの音楽がめちゃくちゃ美しい。中国語だと『梁祝』、日本語だと『梁山伯と祝英台』というロメンティックな故事らしいです。

楽しかったねーーー!とすっかり元気になったものの、絶叫マシンに乗る自信はなく、子どもがいっぱい並んでいる、ちょっと空を飛ぶくらいの乗り物にだけ乗って満足。 己の体力の衰えを思い知った一日。

クレイジー・リッチ! Crazy Rich Asians

大好物!!原作もめちゃくちゃ面白くて大好きなんだけど、映画版はポップな部分がぎゅっと濃縮されていて楽しく、結末が爽快な感じに変換されていて、たいへんエンターティニング。
ロマンティックコメディの新たな名作が、ハリウッドでアジア人キャストのみで制作されて大ヒットだなんて、画期的すぎる!世の中のいろんなことが後退しているような気がする昨今、少しでも、何かしら、新しいドアが開いているように感じられる幸せ。
大学教授であるヒロインの専門分野が私のボーイフレンドのそれとまったく同じで、あー、知ってる!と冒頭から勝手にときめいてしまった。なるほど、そこでそういう風にセオリーを活用するのか!と、原作とは異なった展開に映画を誘導する手段の一つとなっていて感心。

セリフも楽しくテンポがよく、ゴージャス空間が眼福。シンガポール大学時代の友だちと一緒に観に行ったんだけど、あのように超絶きらびやかな世界があの小さな島のいったいどこにあったんだろうね。。。と遠い目になってしまった。オリバーとかペク・リンの弟に似た同級生が結構いたから懐かしいね、とか。

そしてAwkwafinaとケン・チョンが親子、という設定が最高にときめく!原作では、彼らはニック・ヤンやその一族の存在を知らず、知る人ぞ知る存在の強大な一族と、一代で富を築いた家族との圧倒的な差を読者に推しはからせてしまう、という切ない一面を担っているのだけど、映画ではとことんハッピーで愉快なファミリーで最高だった!お母さん役の人だけが本編の唯一のシングリッシュ・スピーカーなのがなごむ。
ミシェル・ヨー様の美しさと静かな凄みに震える。あと、バーナード役が『シリコン・バレー』のJian-Yangだったのがナイスキャスティング!!
音楽も素晴らしくて(♪まーどにー西陽がー)、Can't Help Falling in Loveが流れるシーンは、ソノヤ・ミズノちゃんの圧倒的な美しさとあいまって涙がほろほろ。
さらに、クライマックスで流れる曲、聞き覚えがあるメロディ。。。と思ったら、Coldplayの"Yellow"の北京語カバー。これか!監督がこの曲を映画に使いたいとColdplayに直訴したというやつ!もちろん、元の歌の意味と黄色人種との関連性はないけれど、「イエローと呼ばれるなら、その色を美しいものにしたい。この歌は我々のアンセウムなのです」みたいな手紙を監督が送ってクリスたちが速攻OKを出した、とかいうエピソードを思い出してさらに泣けてしまった。
ハリー・シャムJr.の登場を待ちわびていたら、え、そこだけ?でもエンディングでがっつり単独でクレジット出てるってどういうこと?というのがなかなかのサプライズ。