ダ・ヴィンチ・コード 

!ネタバレ有ります!

かつて散々楽しんで小説を読んだのにほとんど内容を忘れていたため、二度おいしくいただけました。トリ頭バンザイ!途中で記憶がちょこちょこ蘇ってきて、あー、それりんごだよ、り・ん・ご!志村、りんごー!と画面に向かって叫びたい気持ちに。

トム・ハンクスはラングドンというよりもラングどん、と呼びたくなるモッサリ具合だったけれど、ハンクスさんの起用は正解だと思いました。謎解きとトリビアを詰め込んで猛スピードで進む映画の中では、主役がヘンに悪目立ちしすぎては観客が疲れるだけ、というところを、とてもいいバランスで演技されていたような。それに"You are the living descendent of Jesus Christ"なんてシュールすぎる台詞に説得力を持たせることができる名優じゃないと、安っぽい映画で終わってしまうだろうし。アメリがかわいかった。でも小説だとソフィーはもっと聡明で、謎解きとかバンバンやっていた気がするんだけど違ったっけ?あと、シラス!シラスというか、ポール・ベタニーの顔が好きだと気付いた。彼が出てくるたびにギャー!コワイ!と思いつつも、この薄味な爬虫類顔がたまらない、と目が逸らせなかった。

そしてやっぱりOpus Deiという単語が出てくるたびに、なつかしさと、これマジ?という思いが湧き上がった。オプス・デイ経営の小・中学校に通っていたけれど、シラスみたいな猛烈な修行僧的な人はいなかったよ。普通のカトリックの学校でした。いろいろとすごく面白い学校だったけれど。今あの学校で「ダヴィンチ・コード、おもしろいよねー」と言ったら、校長室に呼び出されるのかな。

絵や建物など、ビジュアルを確認したいなー、と本を読みながら思っていたものが、映像でちゃんと観られたのがお得。けれども映画の限られた時間の中だけではどうしても諸々の事柄の描き方が浅薄にならざるをえない、ということで、映画か本、どちらか一方を観たり読んだりしたのなら、せっかくだからもう一方も体験してみるのがベストなのでしょう。うまくできてるネー。原作の翻訳家が字幕監修を努めていたのはグッドアイディア。

夜のルーブル美術館を巡るツアーに参加したくなりました。死体は置いてないよね?大学時代にルーブルには行ったものの、大勢の人でごったがえすモナリザの前で絵の監視係に「ねー、ひとりで来たの?この後なにか用事ある?ぼくと一緒にコーヒー飲まない?」と引きとめられ、さすがアムールの国、と感心した記憶しかありません。モナリザ、苦笑してたよ。

そういえばid:honeymilkさんが映画の感想に書かれていた、ラングどんの手帳に書かれた「ち」という文字が、ホント気になった!あれはなんだろう?もしも「ち」に点々がついていたら、不朽の名作になったかもしれない(わたしの中で)。