書籍

ティファニーで朝食を 

私だったらどのように訳すかしら、ということを始終考えながらまずは原文を読み(こういうとき、ちゃんと訳出するのが、真剣な学習者の本分なのだとは思うのだけれど)、それから村上訳を読んで、なるほどナルホドそういう風に持っていくのね、とすり合わせ…

ガラスの靴

台湾の若手女性作家の作品の翻訳本って珍しいなあ、と思って手に取ったのですが、かーなりエキサイティング。この本はいわゆるロマンス小説とのことだけど、ロマンス小説とはこんなにも疲れる読み物なのですね。面白かった。「玻璃鞋(ガラスの靴)」という…

風が強く吹いている/三浦しをん 

まっすぐな、いい小説だった。箱根駅伝出場を目指す10人の大学生の個性の成り立ちが明確で、よくできている。彼らと一緒になって「無理なんじゃないかなあ・・・でも、この人についていったらなんとかなるのかなあ・・・いや、でも無理?どうなの?」と逡…

わたしを離さないで/カズオ・イシグロ

前知識もなく、淡々とした語り口に誘われてするすると読んでいると、いつのまにか途方も無く切ない世界に足を踏み入れていた。作者の想像の翼にひたすら感服。読みながら、そして読んだ後も心の中で何度咀嚼しても深い味わいが湧き上がる、素晴らしい小説で…

 香港の甘い豆腐 

ええ小説。タイトルがまず素晴らしい。豆腐花を最初に食べた時の、やや?という驚き、香港の街を初めて歩いた時のテンション上がる感じが、ギュッと濃縮された題だと思う。そして本文も、ページをめくる度に香港への抑えがたい郷愁と愛情があふれて困っちゃ…