メッセージ (Arrival)


地球上の12箇所の地点に突如あらわれた、巨大なばかうけ(青のりしょうゆ味)。それらの持ち主である謎の宇宙人の言語を理解すべく交流を深める未知との遭遇サイエンスフィクション。と思いきや、これは圧倒的な「個」の物語で、人生のよろこびも悲しみもしっかりと味わうことに対する静かで強い覚悟が美しくきらめく、強烈に泣けてしまう映画だった。好きすぎる!今のところ、今年一番すきな映画!!
未知の言語を理解していく過程が大変興味深く、宇宙人が描く表意文字の美しさや、緩急のある音の使い方にはっとする。高度な知性を持つ宇宙人(ヘプタポッド)の造形も慣れるとある種のやすらぎを感じる。
12箇所のそれぞれのお国柄がモニタールーム映像や通信で伺えて、未知の生物に対する手探りの対応が、ちょっとシンゴジラを思い出して興味深かった。日本では北海道に出現し、モニターごしに映る日本のスタッフのちょっとした表情とか仕草がすごく日本人らしくて、なんだか面白いなあと思いました。
ネタバレになったら恐縮ですが、人類のある概念が覆され、物語の持つ意味が一気に変わり観客に驚きをもたらすのだけど、それを知ってから目にするエイミー・アダムスの表情がいちいちたまらない。エイミー・アダムスっていつも自分がきれいに映りたいという欲をまったく感じさせないところがすごく好き。
相棒がホークアイなのもリアル。もっとキラッキラした俳優だったら、こんなにも心にじんわりしみ入る後味はかもし出せなかったような気がします。
最近の例のtypo関連の全世界的な大喜利で一番笑ったのが、この映画の名場面を活用したこの写真。