ウィンブルドン

marik2006-07-03

ダヴィンチコードでの身の凍るような存在感でオラをすっかり虜にした、ポール・ベタニーのロマンティック・コメディ。この映画の公開当時、大好きなワーキングタイトル(ノッティングヒル、ブリジョン、ラブ・アクチュアリーを作ったチーム)の作品にも関わらず、ビジュアルが今ひとつ好みではないキルスティン・ダンストを大画面で見るのはスパイダーマンシリーズが限界でーっす、と敬遠していたことを今更ながら後悔。まさか、キルスティンたんと一緒にポスターに写っていた殿方が、こんなにも魅力的な役者であるとは思いもよらず。

もともとヒュー・グラントを想定して書かれた脚本だったものの、三十代前半の落ち目のテニスプレーヤーを演じるには若干年齢が高くなってしまったのでポールが起用された、という話を聞くと、確かにいかにもヒューっぽい。人生に対して静かなあきらめをなんとなく抱えている、シニカルだけど好ましい人柄の、ちょっぴりドジでお茶目な英国人男子という、ヒュー・グラントがうろたえ気味にスゥイートに演じるようなキャラクターを、体温が低そうなベタニーさんが淡々と演じるさまがとてもよい。時おり見せる可愛らしい表情に、胸がギュン。
ウィンブルドン [DVD]

このプロダクションチームの他の作品と同じく、ひどく悪い人は出てこない、人間の優しいきもちに満ちた幸せな映画。テニス選手はサーブをする瞬間に何を考えているか、というようなことをのぞき見できるのが面白いし、今まさに開催中のウィンブルドンの、大会の晴れがましい雰囲気や舞台裏を再現したような映像も楽しい。今ちょうどTVでウィンブルドンでの杉山愛の試合を中継中。加油

ベタニーさんがあまりにも素晴らしいので、本編を見た後すぐに監督と彼のコメント付きで再び鑑賞。今までDVDの音声解説にはさほど興味を持っていなかったのだけれど、この前なにげなくラブアクチュアリーをオーディオコメンタリーモードで再生していたら、コリン・ファースが出てくるたびに解説役のヒュー・グラントが貶し倒していたのがものすごく可笑しかったので、最近、手持ちのDVDを解説付きで見ようキャンペーンを実施中です。ベタな恋愛シーンを見ながら「このシーンはイヤだった」と監督にこぼすベタニーさん、「まだ君に言っていなかったことがあるんだ」という本編のセリフに続けて"I'm gay"と、全然関係ないセリフをいきなりアフレコするベタニーさん、自分の顔のアップに「そばかすだらけだ」と年頃の女子みたいなコメントをするベタニーさん。好きすぎて困る。

今年の七夕の短冊には、「一日だけ、ほんっとに一日だけでよいので、ジェニファー・コネリーポール・ベタニーの奥方。なんと見目麗しい夫婦)になれますように」と書こうと思います。