ホテルホテルホテル!

ホテル(NOT島津ゆたか's ソング。あれ?夏木ゆたか?)のことで頭の中がいっぱい。ガイドブックを揃え、年末の旅に向けてスイッチが入ったものの、欧州のホテルは高いということをすっかり忘れていたことに気付いたよ。ユーロとうまく付き合える気がしない。

今回は久しぶりにバックパック背負って行き当たりばったり、シェフの気まぐれサラダ以上に気まぐれな旅を!と息巻いていたものの、ぎっくり腰で弱気になってしまった。重い荷物を背負ったままあてどなく彷徨うことのないよう、ある程度の移動スケジュールを事前に組み、宿と交通はできるかぎり前もって手配しておくことにしました。

ゆえに、各都市での宿泊先に関してあれやこれやとしつこいほどに入念な調査を行っているのだけれど、立地・快適さ・値段のバランスが良さそうな宿はすでに希望日程は満室だったりで、なかなか難しい。

そして、哀しい事実に思い当たってしまった。これまでの経験をよくよく思いかえすと、このように渡航前にしっかり下調べをして厳選したホテルで、ああ本当にいいホテルだったー!ここ、ちょうオススメ!と思えた宿泊先は、ほとんどないのでした。短い日程ゆえにそれなりの予算をあてがうことも可能な、それなりのクラスのホテルは別として、少し長めの一人旅で泊まるバジェットホテルで。逐一思い返すと、いずれのホテルも、ものすごくひどいわけではなく、かといって心底リラックスできるでもなく、というかんじ。わりと強烈だった宿の思い出はこんな感じ↓。あとは、普通。

・ニューヨークの、セントラルパークにほど近いホテル:チェックインして部屋に行くと、室内をハトがうろうろしていた。疲れていたのでそのまま昼寝(ハトはやがて窓から飛んでいった)していたら、掃除係の女性が間違えて私の部屋の鍵を開け、勢いよくドアをあけた拍子に、しっかりとかけていたドアチェーンが根元から破壊され(恐怖)、"Ooops, sorry!"と彼女は笑顔で去って行った。その夜はドアの前に机を引きずっていって封鎖して就寝。

・インド某所のドミトリー:夕食付き(夕暮れ以降に外に出ると危険だから)のありがたい宿で、楽しく食事をいただいている周りを走り回るネズミ。ミッキーマウスのディナーショーだったのかな。そして、どっさりと山盛りになった乾燥大麻を初めてまじまじと見た(小心者の私は手を出していません)。

行ったことのない場所に行く前に、地図やガイドブックを元に自分の頭の中にその土地の様子を思い描き、そして実際にそこへ行ったときに「わー、こういうところなんだ」と、イメージとのギャップを味わう瞬間は、何にも変えがたいくらい楽しいことのような気がします。たとえそれがガッカリなベクトルであっても。それを何度でも経験したくて、我々は旅に出るのかもしれない。(天声人語より。ウソ)