鐵三角 @香港映画祭

marik2007-10-23

見終わった直後に、これまでに見たあらゆる映画の中で、好きな作品ベスト5に入る!!!と大興奮していたのだけど、帰宅して冷静になって考えてもやはり揺るがない満足感。うん、ベスト5に入るやもしれません。大好き。人生の限られた時間の中で、こんな楽しい1時間40分をすごせるなんて、映画が好きでよかった!香港映画を好きでよかった!と心の底から思いました。

3人の映画監督が1本の映画を監督するという斬新な試みが生み出す、これ、どうなっちゃうの?誰がどう回収していくの?というまったく予測のできないスリルと、まあ、まあ、細かいところは気にしないでとりあえず楽しんで作ってみたよ!という三者三様の勢いがたまらない。香港映画のある種の適当さというかおおらかさというか、そういったものの妙味が凝縮されているようなところが、とにかくものすごくツボにはまってしまいました。

導入部分は、冒険のはじまりを予感させるツイ・ハークのスピード感あふれる演出にワクワクが止まらず、次にドラマ性に満ちたリンゴ・ラム(初めて作品を見ました)の演出で話が膨らみ、そこからオチに向けて一気にジョニー・トーがやりたい放題ふざけるという、絶妙な三角形。あ、もうツイ・ハークの演出部分は終わったな、ああ、ジョニー・トー導演に切り替わったな、というのが見ていて自然となんとなく分かったような気がして、そのあたりの見極めも楽しかった。

二大黒光りスター、サイモン・ヤム&ルイス・クーと、北京語をしゃべる役者さんの3人が織り成す冒険譚は、ズッコケ3人組・夏の思い出、というかんじ。大人の話なんだけど、なぜかどこか小学生男子に見えてしょうがなかった。ヤムヤムの頭頂部を初めて見た気がして、ちょっとびっくり。わーい、林雪が出てきた!と思ったら、顔を見る隙が全くなかったのが可笑しい。ユキちゃん、あれ、目が回らないのかしら。