グランド・マスター（一代宗師）

お待ち申し上げておりました。ずいぶんと長いあいだ。ちゃんと仕上がってよかった！ドニーさんの『葉問』と内容がダダ被りなのではないかという懸念はまったく無用だった。なんか、もう、同じ人物を取り扱った作品とは思えない。序盤のカンフーで心を持ってかれて、おお、ちゃんとアクション映画だ！と感動したものの、あとは文学的、抒情的モノローグ多用のいつもの王家衛のトーンで描かれ、ときどきまたカンフー、という塩梅。心行くまで存分に王家衛の世界にひたることができて実に幸せでした。往時の香港の映像がさしはさまれるのも風情があってうっとり。
チャン・チェンがこの映画のために武芸を極め何かの大会で優勝までしちゃったと聞いていたので期待に胸ふくらませていたのですが、わりと小出しで、贅沢な使われ方をしていた。しかしかっこよすぎる。チャン・チェンが素敵なのはいつものことですが、この役はそのアクションのクールさも相まってちょっとメーター振り切るくらいに男前すぎてため息が延々と出続け、カミソリ（役名）にときめき死してしまうのではないかと危険すら感じました。
ツィイーちゃんも美しくて悲しくてよかった。トニーの奥さん役の女優さんの顔が好きだなあ、香港にああいう女優いたっけ？と思ってたら、ソン・ヘギョちゃんだったのか！！フルハウス以来みてなかったので全然気づかなかった。あと、馬三役のひとが気になる。