うんと久しぶりにDVDをレンタルして一気に観たら、全部よかった。全部、好きな人ばっかり出ていて、とてもよくできていた。
イン・ザ・プール [DVD]
松尾スズキ祭り!松尾スズキのこんな演技が見たい、という状態が完全に表現されていた。奥田英朗の伊良部シリーズの小説がものっすごく好きなのだけど、小説とはまたちょっと違った珍獣がそこにいる、という感じがたまらなく楽しかったです。

全然関係ないけど、今年の初夢は、24の撮影が全て終ってしまいスタッフから花束をもらって「一日が25時間あれば、さらにあと一ヶ月は皆さんと一緒に仕事ができたのに、残念です」と気の効いた挨拶をする夢(ジャック・バウアーのつもり?)と、松尾スズキと一緒にご飯を食べていて「とにかく『イン・ザ・プール』観てよ」と何度も言われる、という二本立てだったので、とりあえず夢の中での約束が果たせてよかった。

裏街の聖者 [DVD]
いかにもUFO制作らしい、おしつけがましくない善に満ち満ちているあたたかい映画。舞台は香港島の方なのかな?下町のわやわやした雰囲気に、香港への郷愁がキュンと湧き上がる。女子高生役の子がすごく可愛いと思ったら、ジジ・リョンだった。若い!トニーのあの瞳はもう、犯罪に近いくらい素敵すぎる。どの作品でもそう思うけれど、この役柄はことさら魅力的。「恋する惑星」のお巡りさんを越えたかも(当社比)。リアルにあの熱い目で見つめられたら、5秒で失神する自信がある。男の純情が光るラウ・チンワンもよかった。最初のほう、陳小春かな?とずっと思いながら見ていた人が実は王喜で、小春は別の役で出てきたのでちょっと驚いた。

スクール・オブ・ロック スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
ジャック・ブラックのウザさ(大好き)が芸術レベルに昇華された見事な作品。クラスの子どもたち一人一人の居場所をちゃんと提供するところがすごく良かった。子ども達がじわりじわりとロックに浸されていく姿がクール。

わたしがこの映画の子供たちより4歳くらい年上で中学生だったころにバンドをやっていて、文化祭で演奏することになったものの、厳格な女子校ゆえ日本の流行歌の演奏が禁止されていました。ビートルズや懐メロの演奏にOKが出ていたところを、本番でゲリラ的に日本のバンドの曲を演奏したら、先生に泣きながら説教されたことがあって、今思えば、あの行為ってロックだったよなあ、とこの映画を観ながら突然思い出してしまった。

ワンナイト イン モンコック [DVD]
切なス。やるせナス。最初の方でサム・リーが出てきてイェイ!って思ったものの、なんか、怒濤の展開で。連鎖反応的に起こる物事の提示の仕方が見事でした。DVD鑑賞マラソンのラストに観るにはあまりにも重い後味だったけれど、旺角のざわついた忙しない街の空気に、映像を通してほんのひとときでも浸ることができてよかった。いつも「臭豆腐くさい」と悶絶しながら歩くあのエリアのどこかで、こんな切ないドラマが繰り広げられているのかしら。
そして、「旺角警察24時。刑事はいつもお腹が空いている」という副題を付けたくなるくらい、いつも何か食べていた刑事たち(特に銭嘉楽)が印象的でした。