サッちゃんの明日/大人計画

初日みてきました。家から歩いて3分で松尾スズキのお芝居を上演している劇場に到着するなんて、夢のよう。
そば屋をきりもりするサッちゃんと、その家族や友だちの話。この下品さに笑ったら負けだと思いつつ笑わされる悔しさとよろこびよ。終盤、幕切れのちょっと手前での突然の緊張の展開と、そのオチに、かるく鳥肌がたった。寂しさなのか希望なのか、なんとも言いようのない、不思議な余韻が残る芝居だった。そして、見終わってよくよく考えてみたら、登場人物がそれぞれ一方的な気持ちを誰かに抱く、ものすごくブラックでヘビーなバージョンの「はちみつとクローバー」だったのではないかと、ちょっと思った。
鈴木蘭々は「キレイ」のときの不思議ちゃんオーラがどうしても少し苦手だと思ったのだけど、今回は淡々としたかんじでよかった。松尾スズキのヘンな動きを久しぶりに見ることができてうれしい。クドカンの役のダメーな感じがリアルで怖かった。かなりタイムリーな物質を扱っているけれど、それがらみの時事ネタで笑いをとることがなかったのが意外。