Ted2/Wild

<テッド2>

広東語のタイトルがどストレートでウケる!
ボストンに向かうB787の中で第一作(Tedの舞台もボストン)をニヤニヤしながら観てたのって、もう3年前なのか!歳月。。。って思ったけど、ぜんぜん成長してないTedとマーキー・マークを見ると安心する。相変わらず倫理的にどうかしていて、きわめて下品で、最高!
ラストの一言で笑いつつもなんかじわっと泣けた。”s*** happens!” って人生笑い飛ばしていこうぜ!という陽気さにじわっと。
F・スコット・フィッツジェラルドのネタがもっともツボにハマってしまった。もー、大好きな作家なのにひどい!ウケる!そしてリーアム・ニーソンが真顔で心底くだらない場面を演じてたのがめっちゃ笑った。あと、ジュラシック・パーク的な(ぜんっぜん違うけど)とこ、何度も思い出し笑いしてしまう。
Tedってほんっとにゲスいのに、あの表情ともふもふ感とボテボテ感にどうしてもハートをもってかれるのよね。

これ懐かしい↓2013年の梨vsテッド戦。

<わたしに会うまでの1600キロ>

このなまぬるい邦題、作品が持つ硬質な魅力にそぐわない気が。どうしようもない生きづらさ、喪失の苦しみ、底なしの孤独、そしてその果てにひそやかにたたずむ希望の物語。静かに静かに心にしみます。

実話ベースで舞台が1995年というのが味わい深い。これが今の時代ならば「水なくなった。。。砂漠のど真ん中なんだけど。。。皆様さようなら。。。(いいね!20件)」「めっちゃ汚い水たまり発見!きゃーーー!濾過して薬入れたから、あと30分待てば水が飲めるー!マジ死ぬかと思った!(いいね!88件)」とFacebookにばんばんアップするだろうし、マップもコンパスも音楽も本も完備。そう、iPhoneならね。
そんな便利さを知らなかったあの時代、それはそれで十分満たされていたよなあと懐かしく思ったり。荷物多すぎてバックパック重すぎて立てないとか、時として女という記号だけで見られる面倒くささとか、この先で旦那やら彼氏やらが待ってるとさりげなくウソをつく護身術とか、女一人旅あるあるも満載。

かなりシリアスな状態で人生に行き詰った女性が、メキシコ国境近くからカナダ国境付近まで続くトレイルを歩くお話で、過去を回想して幾度も押しつぶされそうになったり、たった一人で圧倒的な自然と向き合ったり、時に出会う人たちに助けられたりしながらその歩みを進める様が胸に響くのだけど、この道行は人生そのものでもあるよなあと思いました。誰もが皆、さまざまなものを背中にしょいこみ、傷を負い、迷いながら自分の道を一歩一歩ふみしめ生きているその勇気をたたえられているようにも感じられるのです。

ウィザースプーン先輩が脱いでるのを初めて見たので、温泉に一緒に行くのが初めての友達と入浴したような気分になりました。ほぼすっぴんっぽいんだけど、わりと20代に見えなくもないのがすごい。こういう佳作をさらっとプロデュースして、奥ゆきのある芝居を見せるところもクレバーでパイセン素敵。説明しすぎず、足りなさすぎず、絶妙なテンポのニック・ホーンビィの脚本もいい!